長野県松本市が、本年度より、高齢者のフレイル(虚弱)を電力使用データから検知する事業を展開するようです。
これは、中部電力が開発した電力の使用状況をデジタルデータ化するスマートメーターを利用するもので、各家庭から送られてくる電力データを基にAIがフレイルを判定する技術です。具体的には、電力使用量からは外出の有無や回数、起床・就寝時間などの情報を推計できるといいます。
具体的には、
- 普段の生活から電力メーターで30分毎の電気の使用量がわかる
- 住人の電気の使用量をAIが分析する
- フレイルの兆候を見つけたら自治体の専門職員に知らせる
- 専門の職員が高齢者に声がけを行い、日常生活継続の助言などを行う
というシステムです。
フレイル検知では、100項目以上の情報について、健常者とフレイルの人のデータをAIが学習し、8割以上の制度で検知が可能であり、継続して状況を確認できるためケアが必要な高齢者に早期介入が可能となる。その結果、保健師などの専門職員に余裕が生まれ、より適切なフレイル予防指導などが可能になるといったメリットがあります。
同制度により、認知症などにつながる恐れがあるフレイルの予防や早期発見につなげることが可能であり、フレイルを早期に検知し適切な対応をとれば、介護や医療にかかる費用の削減にもつながる。
また、電力データの活用は人手をかけずに網羅的に高齢者の状態を把握できるというメリットがあり、保健師など自治体の人材や予算に限りがあるなか、DXを活用して市民の健康を守ることが可能となります。
松本市では、2023年度は約2000人の一人暮らしの高齢者を対象に関連費用として680万円の予算を盛り込んだようですが、非常に有効な税金の利用であると思います。
フレイルの早期検知は医療費や社会保障費の削減にもつながりますし、今後、各自治体でも利用が進むことで、コストの削減が可能となりますので、今後、電力会社と協力して、西宮市においても対応を検討していただきたいと思います。